私たちが模範とする師範
こんにちは。夏はいつもステテコに雪駄がトレードマークのやなぎさわです。
今回は、ロシアのkoinobori道場が制作した動画を紹介します。
関昭二師範がロシアのイルクーツクセミナーに行かれた記録ですが、YouTube動画というより、ドキュメンタリー映画と呼ぶのがふさわしいです。
武道動画にありがちなカッコよさを強調させる目的の派手な音楽や演出はなく、全体を通じて静謐な空気を感じます。
以下は、日本語字幕から抜粋しました。一年に一度程度しか関師範の指導を受ける機会がなく、しかも言葉の通じない彼らが、こんなにも深く関師範の合気道や人柄を理解していることに感動しました。
「上達を強要する」という考え方があります。先生は東洋人なので、無理強いしないで、ただ技を見せるのです。その情報を、受け取るかどうか、やってみるかどうかはこちらの問題です。
私達のやり方は、「こうやってみなさい」、「できません」、「やってみなさい」で、結局、生徒は達成することもあるし、できないこともあります。先生は冗談でそれを「上達の強要」と呼んでいらっしゃいます。先生の動きはとても簡潔で、どんな人にも合います。すごく難しいものではないからです。でも、難しさは正にこの簡潔さにあります。余計なものを削ぎ落とすこと。まるで彫刻家が石を削ぐように、それが先生の熟練なのです。
先生は合気道に対して幻想を抱いておられませんし、他者にも幻想を抱かせるようなこともなさいません。合気道にまつわる神秘主義的なことを話す人がいますが、合気道とは何の関係もないことです。合気道は稽古に尽きます。最初の頃のセミナーで先生にエネルギーの話をして下さい。と言った参加者がいました。先生は『エネルギー?合気道は稽古だよ。』と答えられました。聞いた人は納得できないようでした。
koinobori道場 「S.Seki shihan,8 dan」YouTube字幕より抜粋
その後、4〜5年経って、先生が技を見せた時「エネルギー、気はここへ向けられる。」とおっしゃいました。私たちがびっくりして「先生はエネルギーなんてないとおっしゃいましたよ。」と言うと、先生は「その時エネルギーのことを話したら、君たちは稽古もせずにエネルギーのことばかりを考えていただろう。エネルギーは稽古をして初めて湧いてくる。」とおっしゃいました。
字幕設定を日本語にしてご覧ください。YouTube動画の上にマウスを合わせると右下に設定が現れます。
いつかkoinobori道場に行って稽古したいな。
では、また!