受けのポイント其の二「手をつかみに行く時は、小指側から包み込むように握る。」
合気道では、技をかける側「取り」と、技をかけられる側「受け」とを交代しながら、互いに技を磨いていきます。
相手の技術向上のために受けの技術も正しく身につけなくてはなりません。
稽古ではまず受けから取りの手首をつかんだり面を打ったりして攻撃を仕掛けます。相手の手首をつかむ技術には、片手取り、両手取り、諸手取り、後ろ両手首取りがあります。
ではユータくんやってみましょう!
よし、手首をつかむんですね。握力には自信があります。
ありゃ、つかんでいられない・・・手がすぐ外れてしまう。
ユータくんの場合、5本の指すべてにカを入れすぎて、肩や肘にムダにカが入っていますよ。
新登場かすみんです☆ 先生、これで合ってますか?
親指と人差し指に力を入れてつかんでいます。それだと小指が浮くので、相手との接点が切れてしまいますよ。一番力を入れるのは小指、次に薬指、其の次に中指です。
人差し指と親指は立てておいてもいいですか?
立てたままにすると引っかかって怪我をする恐れがあるので、相手の腕に軽く沿わせておきましょう。
こちらの写真は5本の指すべてに力を入れて握った例です。この握り方だと人差し指と親指に力が入りやすくなります。
人差し指と親指に力が入る握り方では、手のひらが離れやすくなります。
ではどうつかんだらいいのかというと
相手の手首をつかみに行く時は、小指側から包み込むように握り、相手の手首と自分の手のひらの間にすき間が開かないように密着させます。5本の指できつく抑えるのではなく、力を入れる強さが小指→薬指→中指の順になるように握りましょう。人差し指・親指は腕に沿わせる程度にゆとりを持たせます。
この柔軟な握りによって、逆に手が外れにくくなるのです。柔らかなつかみ方を意識しましょう。
特に下のイラストの赤い斜線の部分(小指球や手根)が離れないようにしましょう。
「取り」も相手の手を切らないよう動き、「受け」もその手が離れないように身体全体を使って受けを取り続けましょう。
受けのポイント②
手をつかみに行く時は、小指側から包み込むように握る。
次回は「一度つかんだら、途中で◯◯◯◯を変えない。」お楽しみに〜!
【参考書籍】「DVD付 合気道パーフェクトマスター」植芝 守央 著 新星出版社
つかみ方(片手取り・両手取り・諸手取り)について詳しく書かれています。
※この記事は、
合気道探究 第33号
稽古覚書(4)「受け」のからだ、「受け」のこころ
関昭二師範「相手の良さを、受けで引き出す」
をベースとしています。